ID : 9345
公開日 : 2008年 11月12日
タイトル
現代の名工 木製家具製造、技術磨き半世紀
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新聞名
徳島新聞
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元URL.
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2008/11/2008_12263674961.html
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元urltop:
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写真:
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伝統工芸や工業技術などで卓越した技能を持つ二〇〇八年度の「現代の名工」に、徳島県内から木製家具製造工の喜多岩夫さん(73)=徳島市国府町日開=が選ばれた。厚生労働省が十日発表。表彰式は十
一日に東京都港区の明治記念館で行われる。喜多さんの喜びの声を紹介する。
家具職人の世界に飛び込んで半世紀余り。精密機械のような器用さを身に付け、優れた品質の木地を人一倍の早さで鏡台に仕上げる。当代有数の指物師として、その確かな技術が評価された。
「私より腕の立つ先輩は多かった。ありがたいことに、ここまで続けられたからこそ認められたと思う」と、静かに喜びをかみしめる。
徳島市大和町生まれ。疎開先の土成中学を卒業後、兵庫で映写技師を目指したが、周囲の勧めで職人の道へ。遊山箱で有名な実家近くの江渕鏡台店に十七歳で弟子入りし、名工の原点となる技術を磨いた。「当時はま
だ鏡台もよく売れた。関西でも徳島の家具は評判だった」と振り返る。
三十歳すぎで独立し、一九七〇年ごろに国府町北岩延で仕事場を構えた。その後、寄せ木細工のデザインを施した「寄せ木家具」を考案。十数年前からは寄せ木の技術を生かし、小型で現代風の仏壇作りを始め、大阪
の業者との専属契約販売で人気を集めている。
「私が作ったかわいらしい仏壇を見て、幼い娘を亡くした母親の気持ちが和んだという話を聞いた。物づくりで誰かの役に立てたというのは私の誇り」としみじみ語る。
妻と長男夫婦の家族四人で仕事をこなす。機械によるオートメーション化が進む木工業界で、「流れ作業は自分が何を作っているのか分からなくなる」と、あくまで手作業にこだわる。
「手作業で自分の技術に不満が残るからこそ、次はいい物をつくりたいという気持ちがわいてくる。元気でいる限り、職人であり続けたい」と力強く語った。
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