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ID : 9310
公開日 : 2008年 11月 7日
タイトル
被害木でナメコ栽培 福島・西会津の「ナラ枯れ」
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/11/20081108t65023.htm
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写真:
 
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甲虫のカシノナガキクイムシが媒介する病原菌でナラ類の樹木が枯死する「ナラ枯れ」の被害が広がる福島県西会津町で7日、県が被害木をほだ木として利用し、ナメコを栽培する実証実験を始めた。被害木 の有効活用として注目されそうだ。
 ナラ枯れの駆除は樹木に薬剤を注入したり、倒した木に薬剤を散布してビニールで覆ったりする方法が一般的。山形県は木の香り成分とフェロモンを利用し、おとりの木に害虫を誘い込む「おとり木トラップ」法を開発 した。
 福島県林業研究センター(郡山市)は別の方法を開発した。秋に伐採した被害木を長さ50センチ以下に玉切り(輪切り)してそのまま放置、木を乾燥させることで虫を死滅させる防除法だ。
 本年度からこの防除法の普及に取り組む県は、ナラ類の原木栽培用に開発したオリジナル品種のナメコにも着目し、被害木を利用した原木ナメコ栽培の可能性を探ることにした。
 7日は西会津町奥川の私有林で、周辺の市町村や森林組合の担当者らを集めて技術研修会を開催した。事前に伐採した高さ約20メートルのミズナラなどの被害木7本を使い、ナメコの収穫時期が違ってくる3種類の手 法で植菌した。
 来年秋に発生するのは、20センチに切った原木を2本セットにして間にペースト状の菌を挟む「おが菌」。2年後の秋になるのは長さ50センチに切った原木にドリルで穴を開け、種菌を木づちで打ち込む「駒菌」で、チ ェーンソーの刃幅に合わせた「板状種菌」にも挑んでいる。県は継続して調査し、実用化を目指す。
 県林業振興課は「害虫駆除だけで終わらせず、被害木の有効利用を図るのが目的。山主に積極的に足を運んでもらうことで里山再生にもつなげたい」と“一石三鳥”を期待している。
[ナラ枯れ] 20数年前から日本海側を中心に深刻化し、山形県ではほぼ全域に広がる。福島県でも2000年に西会津町で見つかり、会津地方の12市町村で確認されている。福島県の被害はここ数年、年間4000立方 メートル前後。険しい地形が多いため、害虫を駆除できたのは8分の1程度にとどまる。
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