ID : 8595
公開日 : 2008年 8月26日
タイトル
かながわ瓦版/笑顔運ぶ木工細工
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新聞名
神奈川新聞
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元URL.
http://www.kanaloco.jp/serial/entry/entryxiiiaug080814/
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元urltop:
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写真:
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かちかち山にさるかに合戦、ぐりとぐら…。茅ケ崎市矢畑の斉藤武久さん(92)が、木工細工で童話の中の動物たちを創作し、その愛らしい作品が地域の住民や子供たちの人気を集めている。創作を始めたの
は愛妻を亡くした九十歳から。木工細工は作品を見た人たちを笑顔にし、その笑顔は今、斉藤さんの生きがいになっている。
「今日は何を作ろうか」。斉藤さんの一日は午前五時に目覚め、創作の計画を立てることから始まる。庭先の木陰に置いた小さなテーブルセットが斉藤さんの”工房”。電動のこぎりや彫刻刀を手に、日中いっぱいを創作
に費やす。
二〇〇六年二月のこと。斉藤さんは愛妻の美登子さん?当時(86)?をみとった。藤沢市内の病院まで一日も休まず看病に出掛ける毎日が一年二カ月も続いただけに、喪失感に襲われ、家に引きこもりがちになった。斉
藤さんに「何か作ってみたら」と勧めたのは、同居する長女の民子さん(65)だった。
会社員時代は鉄工所に勤めていた。もともと手先が器用だった斉藤さんだが、木工細工は全くの初心者。鉄よりも自由に細工ができ、温かみもある木に関心を持ち、愛犬モモとの散歩中に集めた梅やミカンなどの枝を
材料に、昔話に出てくる動物たちを作り始めた。
「一つ作ると、『顔の形がかわいくない』なんて家族からけちがつく。『腕の見せどころでしょ』と言われると『どれ、やってやるか』と張り切ってしまう」と斉藤さんは笑う。昔話の主人公たちを一通り作ると、今度は現代の
絵本をテーマに創作。誰に習うこともなく自己流で、九十歳からの二年間で百点以上を作り上げた。
作品を見た近所の人たちからリクエストをもらっては作り、作っては近所の保育園にプレゼントする。そんな日々は地域の人たちとの輪も広げた。絵本「14ひきのねずみ」シリーズの一場面を再現し、作家のいわむらか
ずおさん本人に届けたことも。ことし六月には都内で初めて個展も開いた。
「一日が始まるのが楽しい。自分の作った物で周りに喜んでもらえる。こんなに幸せなことはない」と斉藤さん。とはいえ、電動のこぎりや細かな部品の組み立ては「体の負担になるのではありませんか」。斉藤さんに尋
ねると、「むしろ、みんなの喜ぶ顔に元気をもらっている。今も次に何を作るかで頭がいっぱい」と顔をほころばせた。
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