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ID : 8474
公開日 : 2008年 7月29日
タイトル
目指すは森林・林業日本一~岩手県気仙郡住田町の取り組み~
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20080730org00m040008000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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京都議定書では「適切に森林経営されている森林」が二酸化炭素の吸収源として認められている。しかし、国産材の自給率はここ数年、微増にとどまっており、林業の復興は決して順調ではないのが実態のよう だ。
 一方で林業に明るい日が差し始めた地域もある。その一つ、岩手県気仙郡住田町を訪ねた。
 住田町は町の90%を森林が占める山村だ。かつては林業が財政基盤を支え、地方交付税の不交付団体になりかけた時代もあるという。
 しかし、外材の普及は住田町にも影を落とした。国産材の価格が低迷し、山からの運賃を乗せると採算割れするようになったのだ。
 それでも住田町は、林業の復興をあきらめなかった。住田町の多田欣一町長は、「先人が血と涙と汗を流して40年、60年と育てた木が、いま、何の価値のないものとして捨てられようとしているのは許されないんです。
先人の思いを価値のあるものに結び付けるのが、我々の役目なんです」と語る。
 住田町で林業復興のシンボルとなっているのが「木材加工団地」だ。製材工場の「協同組合さんりくランバー」と、集成材工場の「三陸木材高次加工協同組合」、プレカット・加工工場の「けせんプレカット事業協同組合」で 構成されている。山から切り出した木を集成材にした後、住宅部材などに加工して出荷する一環システムが構築されているというわけだ。
 木材加工団地は、バイオマス活用の研究・実践基地としての顔も持つ。まず平成13年に木屑焚きボイラーを設置し、廃材から得た熱を、各工場の暖房や材木の乾燥に使い始めた。平成14年からは、おがくずなどからの ペレット(固形燃料)生産を開始している。以降、ペレットストーブの普及にも努めてきた。
 さらに平成19年には、ボイラーの蒸気を利用して発電を行う木質バイオマス発電所を建設した。同時に発電所の排熱(温水)を利用した、イチゴなどのハウス栽培にも取り組みはじめている。このように廃材たりとも無 駄にしないのが住田流だ。
 無垢材信仰が根強い中、住田町では集成材を林業復興の中軸に据えてきた。それには理由がある。当初は無垢材から始めたが、無垢材は乾燥が難しく、あるレベルまで乾燥が進むと、必ずと言っていいほど割れや狂 いが生じた。何とか曲がっていないようなものに仕上げても大工からはじかれたという。
 関係者らは「無垢ではとてもじゃないが対応できない」と考え、構造的に狂いにくい集成材に転換した。一般的に強度も無垢材より約1.5倍優れていると言われており、付加価値も高くなると考えたのだ。やがて日本国内 で初めてスギの集成材化にも成功するなど、集成材は住田町の十八番になった。   「オール集成材で家を建てたい。責任は全部自分が持つ」。平成10年、集成材化の立役者で、けせんプレカット事業協同組合の専務理事を務める泉田十太郎さんは、宮城県仙台市のハウスメーカー、スモリ工業に提案 した。
 当時の同社は「山の職人さんを守りたい」という思いから、国産の無垢材を使い始めていた。しかし、「バリバリと音がする」と言った顧客からのクレームが相次いでいたという。
 その原因は材木にあった。高気密・高断熱な家にもかかわらず、当時の材木業者からは十分に乾燥されていない無垢材が納入されていたのだ。そのため完成後の住宅内で構造材などの乾燥が進み、割れや狂いが生じ たのである。
 クレームの解決策を模索していたスモリ工業は、泉田さんの情熱にも共感し、以降は住田町産の集成材に切り替えた。それが住田町の林業復興を後押しし始める。スモリ工業の工法は通常の木材住宅よりも材木使用量 が多い上に、工法への人気も高く、着工数が順調に伸びたからだ。
 いま、住田町の木材加工団地では、多くの若者が働く。平均年齢は20代なかばといったところだ。これにもスモリ工業が絡んでいる。同社では職人が育ちにくい時代であることを見越し、住宅部材をパーツ化するなど、“ 建築技術のいらない工法”を開発した。さらに部材の加工~組み立てまでのすべてを、けせんプレカット事業協同組合に委託するシステムをつくりあげた。すると、同事業協同組合にどんどん若者が入社するようになっ たという。
 このように、住田町とスモリ工業は、「森林を守りたい」という思いを共有しながら、川下で家を建てることにより、川上に雇用とキャッシュフローを生みだし、林業復興も目指す仕組みを形づくってきた。また、若者雇用の 例でも見られるように、相手のメリットを追究しあってきた。こうしたことこそが林業復興の大きな鍵になるのではないだろうか。そう思いながら住田町を後にした。(
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