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ID : 7902
公開日 : 2008年 6月 9日
タイトル
木の素材屋さん~サイトにも漂う木の香り~
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://blog.hokkaido-np.co.jp/digitalnavi/archives/2008/06/post_63.html
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元urltop:
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写真:
複数の写真が掲載されていました】
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今回紹介した「木の素材屋さん」を運営している木材加工会社「道央ランバー」は、芦別市のJR上芦別駅から1キロほどのところにあります。昨年11月から始まった「ご自慢サイト」ですが、空知管内発のサイト は初登場です。取材におじゃましたのは5月中旬。天気はあいにくの曇り空でした。
 ここが事務所です。隣の駐車場には「木の素材屋さん」のステッカーが貼られた軽トラックもありました。奥には工場や製材施設の建物があります。事務所には木のいい香りが漂っていました。
 取材後に工場も見せていただきましたが、いろんな木材が所狭しと並び、「木の素材屋さん」サイトと同じ印象を持ちました。
http://kinosozai.com/    日曜版記事でも紹介しましたが、道央ランバーさんはもともと、床材メーカー向けに「単板」と呼ばれる表面素材を製造し、納品していた会社です。アパートや一軒家の洋間でよく使われている床材は、広葉樹材のきれ いな木目の薄い板を、東南アジア産の木の上に張り付けて作られています。その薄い板を「単板」と呼ぶそうです。
 そのころは、メーカーの基準が厳しく、単板のわずかな虫食い穴、わずかな節などがあるだけで「規格外」とされ、作ったものをボイラーの燃料にしたり、丸々破棄していたそうです。中国でも製造していましたが、あまり もの基準の厳しさに現地の労働者も驚いていたとか。
 一般消費者から見ると、ちょっとの節くらいいいよ、と思ったりもするのですが、床材メーカーや住宅メーカーは顧客からのクレームをおそれたのでしょう。しわ寄せは全部下請けに来て、もったいないことを繰り返して いたわけです。
 その後、日本国内の住宅需要の低迷で床材の需要も減ってきたところで、「木の素材屋さん」サイトをスタート。メーカーではなく、消費者と直接的な結びつきを得て、ようやく現在のスタイルに落ち着いたそうです。ネッ トでの販売が一部のバイヤーの目にもとまり、関西の某DIY店にも広葉樹材を納品しているそうですよ。「今まで捨てていたものに、これほどの需要があったのも驚きでした。直接お客さんの声が聞けるのもネットをやっ てよかった点の一つです」と、サイト運営を担当する薮崇さんは話しています。
 木の皮、おがくず、腐った丸太…いったい誰が買うのかと思えるようなものも載ってたりしますが、「とりあえず載せておくと、売れる」(薮さん)のだとか。
 リンゴの木を切るときのおがくずだけを集めておけば、薫製用のチップとして売れる。普通は捨てる木の枝も、店や模型のディスプレー用として売れる。とある研究機関から「真ん中が腐った原木は入手できないか」と いう依頼も。それまで破棄していたものが宝の山になる。ネットを通じてそんな可能性が広がったともいえます。
 取材後、工場を見せてもらいました。   工場の建物の中は、あらゆる木材の在庫がずらり。木の香りが濃く漂っています。写真は水銀灯の明かりの加減で緑っぽくなっていますが、実際には色は付いていません。フローリング用の無垢材など、「寝かせている」 材料もたくさんありました。
 工場裏の原木の山の前で薮さんの写真を撮らせていただきましたが、笑顔がちょっとぎこちなくみえるのは、カメラマンの私の腕が悪いせいです(^_^;  取材中にも「木を見に来たんですが」というお客さんが来て、熱心に品定めをしていました。事前にメールや電話で予約すれば、見学はいつでもいいそうです。(ただ、日曜日は薮さんも家族サービスもあるでしょうから 、控えた方がいいかも)  木工用材料だけでなく、まきストーブ用の燃料であるまき木も大量に在庫しています。
 杉や松など、針葉樹の木はカロリーが高すぎたり、ヤニが出たりするので、火持ちの良い広葉樹のまきを探している「まきストーブユーザー」が多いそうです。現在はこれらの在庫は「乾燥中」です。中には、丸太を適度 な長さに輪切りしただけの「玉切り」を求める人もいます。自分で斧で割って乾燥させるまでのプロセスを楽しむのだとか。
 ここでは電動チェーンソーで玉切りにしたまきを、最後に手製のこんな機械で割っています。
 これ、壊れたフォークリフトの油圧シリンダーを再利用して制作したものだそうで、先に金属のくさびを付け、油圧ポンプで動かしています。ここでは以前、鉄工所を営んでおり、そのときの技術が生きたとか。
 この工場にはほかにも、捨てられていたボイラーなどを改造して製作した、おがくずを燃料に稼働する「木の乾燥機」など、機械のリユースがいっぱい。下手にリサイクル事業に力を入れる大企業より、よっぽど環境に 優しい会社にみえました。
 鉄工所だったときの設備を生かし、こんなまきストーブも製作・販売しているそうです。
 ちなみに、サイト上では「山林」も売り出し中です。ウソみたいですが、ホントに売りに出しているそうです。
 最後に、工場で木を製材している様子を動画で紹介します。「昨今の製材機械は自動化が進み、こうした手動の製材はなかなか見られない」のだとか  ここには、果樹園の「廃木」や道路工事などに伴って出る「雑木」も持ち込まれるそうです。針葉樹のまっすぐな木なら普通に売れるんでしょうけど、本来なら「ゴミ」として廃棄されるような雑木が、ここで買い取られてさ まざまな製品になり、ネットを通じてユーザーの手に渡る。かつては日本で当たり前のように行われていた「ものつくり」の商売が、ネットによってよみがえりつつある。そんな感想を持ちました。(
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