ID : 7878
公開日 : 2008年 6月 3日
タイトル
立てたままで伐採せず乾燥-品質向上、期間も短縮
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新聞名
奈良新聞
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元URL.
http://www.nara-np.co.jp/n_eco/080603/eco080603b.shtml
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元urltop:
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写真:
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厳しい林業の状況にあって、材木の品質を上げようと「ある試み」が注目されている。伐採をせずに木の根元にチェーンソーを差し込み、水の通り道(導管)を切って、木を立てたまま乾燥させる方法だ。各地で
以前から行われてきた方法だが、川上村高原の会社員、梶本修造さん(49)は独自の研究で精度を上げ、県だけでなく大阪や京都にも指導に出かけている。
この方法の最大のメリットは、近年市場の需要が高い白太(しらた)と呼ばれる材木の周辺部まで傷まずに残ること。それに吉野杉独特のピンクがかった心材(中心部)の発色も両立できる。
また、木を立てたまま乾燥させるため、伐採時期に縛られずに作業ができ、伐採から出荷までの期間も飛躍的に短縮。これまで「10年1カ月」と言われ、100年生の杉で10カ月乾燥に要していた期間が、この方法だと180
年生でも伐採から2カ月で出荷できたという。
残った水分で木は自ら成長したあと乾燥、現在主流のヘリコプター出材にも2割程度重量を軽くできる利点もある。以前から「葉枯らし」という伐採後の山林での自然乾燥は行われていたが、どうしても白太は傷みがちで
、乾燥までの期間も必要だった。
現在、木材価格は昭和50年前後のピーク時の6分の1から10分の1といわれている。「桂(かつら)むき」で材木を薄くむいて合板にするのが最も「割がいい」方法という。
平成10年の7号台風被害もあって、そんな状況を何とかしたいと、梶本さんは以前から温めてきた構想を平成13年から着手。研究の過程で多数の心材が黒ずんだり、市場で周囲に考えを話すと笑われたこともあったと
いうが、今は80%ほどの達成率で、3年前から人にも教え始めた。
山林での実演は林業家とのやりとりが熱を帯びる。幹周り180センチの約100年生の杉に梶本さんがチェーンソーを差した切れ目からは水がしたたり落ちる。噴き出したり、2―4リットルの水が出ることもあるという。
梶本さんは「(林業復活の)決定打とまではいわないが効果はあると思う。奈良の木は今でも全国のあこがれの的。出す材の品質を上げ、木の顔が見える家で使ってもらえるようにしたい」と意気込む。
吉野木材協同組合連合会の小久保昌巳専務理事(60)は「林業全体を考えて情報をオープンにしてくれているのがうれしい。昨年から認知され出し、今年は広がりを見せている。自分流のやり方をせず、指導を受けるこ
とが大切」と、「梶本式」の広がりに注目している。
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