ID : 684
公開日 : 2006年 4月 2日
タイトル
埼玉県/農林総合研究センター森林研究所/木片を利用したふとんかご工
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新聞名
埼玉県農林総合研究
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元URL.
http://www1.pref.saitama.lg.jp/A06/BQ26/topics/hutonkago2.htm
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写真:
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1 技術の特徴
県内の製材所から排出される木片(端材)のうち約2割(4,600m3)が未利用のまま処分される。これを簡易土木工法であるふとんかご工の中詰材に利用し、小規模河川の護岸や、排水路からの流末処理に使用する
技術を開発し、従来の石材のみを利用した「石材ふとんかご」と比較して機能や経費の面で十分利用可能なことが判明した。
2 技術内容
(1)河川護岸への適用計算法の開発
中詰材に使用する石材割合を減じ、木片に置き換えていくと自重は減り(図1)、流水衝突力に対するふとんかごの抵抗力も減少する。この関係をDu-Buat
の流水衝突力理論式に応用して(式1)、石材と木 片の割合、河川条件を入力することで設置の判定ができる計算表を作成した。河川の流速vはマニング流 速式v=1/n*(I^1/2R^2/3)により計算し、vc>vの場合
に限り設置できる。これを視覚的に判断できるようにしたものが図2である。これにより設計者は設置適用の可否と設計内容を計算表と図から判断できる。
(2)排水溝流末処理としての利用
かごの中身が全て木片の場合は地上での使用に限られる。軽量であるため重力的な使い方には適しないが、逆にかごを置いた地盤に対する負担は軽減される。このような場合の使用法の一例として、道路横断排水
溝から流下する水を布団かごにあてて周囲に飛散させ、水の集中による表土の洗掘を防ぐ使い方が考えられる(写真1)。そこで木片布団かごと石材布団かごの両者についてこの飛散能力を調査した(図3)。実際には石
材布団かごの方が優れていることが判明したが、これについては木片の詰め方を工夫し隙間が出来るように詰めることで改善できると考えられる。
(3)使用適地
中詰材を全て木材に置き換えた場合、かごは浮くため水辺での使用は不可能となるが、その軽量性を生かし、排水溝の流末処理工法として利用できる。この場合軽量であることがかごの安定性に大きく寄与すること
が判明した。
(4)設置経費
プレカット工場から排出される木片端材について調査したところ、中詰めに使用する木片は平均比重が 0.5g/cm3前後で形状はサンプル個数の80%が直方体、大きさにして75%が3,000m3(三寸角材 で30cm
程度)以下、個々の木片の重量は大部分が1,500g以下(写真2・図4)であった。木片は軽量・小型であるため効率よく充填できることが判明した。このことは経費削減に直接貢献し、中詰材を全て木片にして歩掛を計
測して設置単価を算出したところ、3,700円 /mであった。これは従来の石材ふとん かごと比較して約6割の減額となる(図5)。
なお、経費の中には木片の金額は含まない。
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