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ロシア極東にあるムルットゥギッ。北朝鮮が設けた「ロシア第16木材伐採所」がある所だ。取材班が目的地に近付くや、キム・マンスさん(42)は携帯電話に保存していた家族の写真を消した。彼は苛立ちを隠せ
なかった。「わたしが捕まれば、母が危険にさらされるから」というのがその理由だった。ムルットゥギッの近くにあるトゥインダ駅に降り立つという当初の予定も変更された。「危険を感じるからだ。ロシアの警察がわたした
ちを守ってくれているかもしれない」と彼は言う。キムさんは9年前、ここから逃げ出しロシア国内を転々とした。思い出したくもないその場所へ、彼は今戻ろうとしている。悲壮感漂う声で彼は言った。「虎穴に入らずんば
虎児を得ず、と言うでしょう」と。
昨年10月24日、モスクワの韓国人が経営する民宿で初めてキム・マンスさんに会った。彼はあいさつの代わりに腕を差し出した。その腕には韓半島(朝鮮半島)の地図と、「祖国統一」という文字のタトゥーが刻まれてい
た。「祖国ですよ。わたしの祖国。今やロシアを離れるときです。北朝鮮でも韓国でもありません」と彼は言う。しかし、「祖国」と言いながら、なぜ彼は韓半島を捨てたのか。その理由を彼はこう説明した。「同じ民族から憎
まれて生きていかなければならないのなら、いっそのこと他の民族に無視されながら暮らした方がマシでしょう」と。
初めて公開された第16木材伐採所の作業員宿舎内部の様子。労働党幹部らの頭上には金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)父子の肖像画が掲げられている。/写真=ハン・ヨンホディレクター
キムさんは1993年5月、木材を伐採する作業員としてこの地へやって来た。だが、作業員としての生活はつらく悲惨なものだった。「木材運搬車が転覆して、作業員4人が死んだこともあります。生き残ったのはわたしだ
けです。腕や足がどこにあるかも分からないほどでした」。それでもあくせくと働き、金を稼いだ。ロシアの村にこっそり抜け出し、物を売ったこともある。だが、98年7月、彼は3000ドル(現在のレートで約31万円)の小切
手を持って事務室を訪れたものの、1銭ももらえなかった。「これは詐欺でしょう。丸5年も詐欺に遭ったんです」という。その後、99年1月に彼は伐採所から脱走した。
昨年11月3日未明、取材班はキムさんとともに、モスクワから列車に乗った。シベリアへ向かう列車は数日後、スコヴォロジノ駅に到着した。ここから北朝鮮の林業組合本部があるトゥインダまでタクシーに乗った。気温
はマイナス35度。呼吸するたびに寒気が襲いかかるという感じだった。検問を避けるため、山奥の凍りついた道を通った。「絶対にわたしを写さないように。警察官がくまなく調べるから」。彼の苛立ちはさらに募った。+/
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