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ID : 6689
公開日 : 2008年 3月11日
タイトル
地方点描:新月伐採[能代支局]
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新聞名
秋田魁新報
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元URL.
http://www.sakigake.jp/p/column/chihou.jsp?kc=20080311ay
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元urltop:
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写真:
 
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12月の新月の前、5日以内に木を伐採するのを新月伐採というのだそうだ。こずえを斜面の谷側に向けて切り倒し、枝をつけたまま冬を越させると割れたり、かびたりしにくい良質な木材が得られるという。NP O新月の木国際協会(本部・千葉県)の監事を務める八峰町の元地学教諭、工藤英美さん(70)は「雪の中で木を熟成させよう」と呼び掛ける。
 新月伐採は、オーストリアで注目され、日本では京都大学の高部圭司教授が研究中だ。工藤さんは2000年から、自分の山林の木で新月伐採を研究。木の幹が太る際、樹幹の中の水の流れに月の引力が影響するとみ られるという。
 杉の細胞中のでんぷん量は9月から11、12月に掛け増加する。そのでんぷんが新月伐採の結果、虫にとって有毒なフェノール成分に変わることが、良好な材質につながる、というのが高部教授説だ。
 工藤さんは、独自の研究に基づき、もう一つの仮説を立てた。良質な木材は含有するでんぷん量が少ないが、立木の状態ででんぷんが少なくなる8、9月に伐採してもいい木材にはならない。「夏場は、蓄えたエネルギ ーを使い果たし、木自体が疲れ切った状態なのではないか。冬越しのためでんぷんを蓄え、最も活力のある時期に伐採し、枝をつけたままにしておけば、生き残った細胞が花芽を作るためでんぷんを糖に変え、枝に運 んでくれる。これが、良質な木材になる理由ではないか」  ちなみに、細胞の活動には雪に覆われて湿度が保たれる本県のような雪国の方が有利だという。「まだ仮説の段階で、立証には時間がかかりそうだ」と工藤さんは笑う。将来、秋田杉といえば新月伐採という時代がこな いとも限らない。
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