ID : 6468
公開日 : 2008年 2月24日
タイトル
修理中の池口寺薬師堂 年輪調べ「県内最古」
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20080223-OYT8T00566.htm
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元urltop:
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写真:
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大桑村殿の県宝・池口寺薬師堂に使われているヒノキ材が、鎌倉時代後期の1289年に伐採された古木だったことが、奈良文化財研究所(奈良市)の光谷拓実・首席研究員(60)の調査でわかった。鎌倉時代と
推定されていた寺の建立時期を裏付ける結果で、光谷さんは「地域の歴史を知るための貴重な情報」と話している。23日には、現地見学会が行われ約100人が参加した。
池口寺薬師堂は、鎌倉時代の建築様式を備えた建築物として1990年に県宝に指定された。その様式や言い伝えから、鎌倉時代後期から室町時代初期の建立と考えられていたが、その時期を裏付ける文書などは見
つかっていなかった。
2006年から同寺の解体修理が始まったのを機に、光谷さんが昨年12月、木材の年輪をコンピューターで解析。長野県内のヒノキ独特の「暦年標準パターン」と呼ばれる年輪の間隔の基準値と比較し、伐採された年代
を読みとる「年輪年代法」による調査を行った。
床板や柱など17点のうち、2本の柱の間にはめ込まれている建材は、木材の中で年代が一番新しい表皮部分が残っていたことから、1289年に伐採された木曽ヒノキと判明した。伐採時期と建築時期はほぼ同時期と
考えられ、薬師堂は鎌倉時代後期に建てられたことが明らかになった。
1289年に伐採された木材は、上田市の国宝・安楽寺八角三重塔にも使われており、光谷さんは「年輪年代法で調査した県内8か所の木造建築物では、最も古いものの一つ。国内でも鎌倉時代の建築物は少ない」と話
す。
また、同様の方法で本尊の薬師如来座像を調査したところ、年輪のパターンの違いから、本体部分は薬師堂より90年ほど前、近畿地方で伐採されたヒノキ材を使っていることもわかった。
台座部分には薬師堂と同じ年代の木材が使われており、NPO法人信州伝統的建造物保存技術研究会の吉沢政己・副理事長は「本尊が近畿地方で作られて運ばれてきたという同寺の伝承を科学的に裏付けた」と指摘し
ている。
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