ID　：　6362

公開日　：　2008年 2月15日

タイトル

南大門火災：再建用木材に「金剛松」が有力

新聞名

朝鮮日報

元URL.

http://www.chosunonline.com/article/20080215000065

元urltop:

写真:

　

韓国東岸の江原道三陟から国道を南に20キロほど行った三陟市未老面活耆里の集落入り口には、「濬慶墓」という案内標識がある。朝鮮王朝を開いた太祖・李成桂（イ・ソンゲ）の五代祖先に当たる李陽茂（イ・ ヤンム）将軍の墓地で、白頭山に端を発する「白頭大幹」と呼ばれる山脈のふもとにある山あいの奥地だ。この場所がソウルの崇礼門（南大門）火災でにわかに脚光を浴びている。濬慶墓には崇礼門の再建に必要な良 質の金剛松が群生しているためだ。金剛松は材質が硬く、腐りにくい特質を持ち、幹が垂直に真っすぐ伸びるため、最高級の木材として有名だ。
　記者が訪れた14日午前、濬慶墓周辺は雪が30センチ近く積もっており、足首が埋まるほどだった。周囲を見渡すと、立派な葉をつけ、天を突くかのように伸びる松が目に飛び込んできた。2001年5月に忠清北道報恩郡 にある「正二品松」（朝鮮王朝七代目の世祖が官位を与えた松）の「新婦」として婚礼が執り行われた「美人松」がひときわ目立った。高さ30メートル、樹齢100年と推定される美人松は、全国で最も形質が優れた松として知 られる。濬慶墓の後方にある渓谷や尾根筋には高さが30メートル近く、すらりと伸びた見事な松が群を成している。
　文化財庁によると、一帯には金剛松が14万本育っており、直径が60センチを超え、柱や梁（はり）に使える大きな木も1000本以上あるという。濬慶墓の管理人、イ・ビョンチャンさんは「大人二人が手をつないだほどの 太さの松もある」と話した。ここの松は材質が優れ、朝鮮王朝末期に景福宮（朝鮮王朝の正宮）の改修にも使用されたという。環境団体の「生命の森」は2005年に一帯を「最も美しい森」に選んでいる。
　文化財庁は2006年に光化門（景福宮の正門）の復元に濬慶墓一帯の松を活用することを検討。直径80センチ余りの松20本を伐採し使用する計画を立てた。同庁は当時、「光化門復元の歴史性と象徴性を考慮し、韓国 で最高の木材で朝鮮王朝と歴史をともにしてきた濬慶墓の松の採用を決めた」と説明していた。
　しかし、構想は全州李氏（朝鮮王朝の出自に当たる家系）一門と住民らの反対で白紙化された。全州李氏は「松が伐採されれば、墓地周辺が荒廃化する。文化財保護のために別の文化財を破損すべきではない」と強く反 発。結局、文化財庁は森林庁の協力を得て、江原道の江陵、襄陽両地区で何とか26本の木を確保し伐採した。このため、政府が濬慶墓の松を崇礼門の再建に使おうとすれば、再び論議を呼ぶことになりそうだ。

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