ID : 6158
公開日 : 2008年 1月29日
タイトル
木工芸と日本刀の意外な関係・・Part 1
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新聞名
CNET Japan
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元URL.
http://japan.cnet.com/blog/ryuusei/2008/01/29/entry_25004606/
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元urltop:
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写真:
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隆清の職業は木工職人である。
木工芸は大きく次の3つの分野に分かれる。 挽き物(ひきもの) 指し物(さしもの) 刳り物(くりもの) の3つである。
挽き物 と言うのは、木工用の「ろくろ」と呼ばれる機械を使って 材料を回転させて それに刃物をあてて 削って製作する 当然 出来上がった作品は例外はあるが、丸い物になる。
指し物というのは ノコやカンナやノミ等を使って タンスや机のように材料を切ったり 組んだりして作った、おおむね四角い物である。
刳り物と言うのは 上記と同じような手道具を使って材料を 削って 削って作るのだが、組むと言う作業はない。つまり手作業で 刳った 曲面で構成された作品、 簡単に言えば お盆や器みたいな物を言う。これは 若
干の例外を除くと まん丸のものは無い。
先週の日曜日は岡山市の東にある 長船カントリークラブに女房のお供で、久しぶりのゴルフのラウンドであった。 友人のS氏御夫婦とのラウンドで、 ハンディキャップは S氏が3 奥さんのS子さんが10 隆清が16
女房が21で、 当日のスコアは左記の順に79、97、97、100、であった、 その結果はともかく、 隆清夫婦はラウンドが終了すると、フロにも入らずに近くの博物館に直行した。
今回ラウンドをした長船ccの長船というのは日本刀の備前長船で有名な長船町にあるゴルフ場である。 このゴルフ場から約5分の所に「備前長船刀剣博物館」なるものがある。 隆清は以前より この博物館を見学した
いと思っていたが なかなか実現しなかった。
木工の最も重要な仕事が 刃物を砥ぐ作業である 。 この作業はもちろん砥石を使って刃物を砥ぐわけだが、 砥いだ刃物の 「切れ」 が作品の出来を直接左右するのである。
「鏡みたいに きれいに 旨く砥げた」と言うような 言葉を聞いた事があるが、鏡みたいにきれいに 顔が映るように砥いだ刃物は 全然 切れない。 よく切れる刃物は 鈍く、黒く、冷たい感じがするように、砥がれた刃
物である。
腕が良い職人が懸命に「砥ぎ」をしても 砥石が悪いと「良い砥ぎ」は出来ない。それとは逆に良い砥石を使うと自分の腕が良くなったとカン違いするほど、うまく砥ぐ事が出来る。
このように「砥ぎ」の良し悪しはとぐ技術もさる事ながら、「砥石の良し悪し」によるところが非常に大きいのである。
ところがこの「砥石の良し悪し」の判断がまことに難しい。 この判断は木工の仕事の中で、最も難度が高くて、最も重要な仕事である。 また 砥石は非常に高価であり、これを選ぶ時は絶対に失敗したくない。 しかし
砥石を見ただけでは判別はほとんど不可能で 買って帰って しばらく使ってみて、 砥いだ時の手応えや 砥ぎ上がった刃物をみて判断する。 例えば 同じ刃物を砥いでも砥石によって 仕上がり具合が 全く違って
くる。
しかし、この仕上がり具合を見て 「砥石の良し悪し」を判断するのだが、 一体 どんな仕上がりがいいのか それを見分ける「眼力」を養うのに一番良い方法は、美しく砥ぎ上がった国宝クラスの日本刀を数多く見て 自
分の眼を肥やすのが最良の方法だと信じている。 そんな訳で、「備前長船刀剣博物館」に行って楽しんで来ました。
次回は 日本刀とティファニー、仏画、木工、Photoshopについて書く予定です。
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