ID : 5776
公開日 : 2007年 12月16日
タイトル
木くい“80歳”強度十分
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20071215-OYT8T00729.htm
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元urltop:
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写真:
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福井市の足羽川に架かる木田橋、幸橋、水越橋でかつて使われていた木製のくいが、設置から約80年が経過しても強度が劣化していないことが、福井高専(鯖江市下司町)や県、飛島建設技術研究所などの
研究でわかった。同高専の吉田雅穂准教授は「今の土木工事では木材が使われることが少ないが、地球温暖化対策にも有効で、利用を進めるべき」と提言している。
足羽川の河川改修工事で掘り出されたことから調査。最も古かったのは、今の木田橋のあたりに1928年に架けられた「銭とり橋」の橋脚の基礎で、樹齢43年の杉材。直径30センチ、長さ3・5メートルで、うち2・4メート
ルは地中に埋まり、1・1メートルは水中に露出していた。
一定の力でピンを貫入させて木材の腐朽度を調べる試験で、地中に埋まっていた部分の平均値は腐朽とされる基準を下回り、現在もくいとして十分な強度を保っていることが判明。
このほか、幸橋付近から掘り出した松材(1932年埋設)や、水越橋付近の唐松材(58年埋設)も調べたが、いずれも強度は十分にあったという。
かつては橋の建設など土木工事に木材が使用されることは多かったが、1960年代ごろから鉄とコンクリートが主流になった。現在、県が管理している鯖江大橋(鯖江市)や西津橋(小浜市)では、橋台などに松材のくい
が使われているという。
また、軟弱地盤を改良する工事では、木材を利用する工法は、セメントを使う工法と比べると施工期間や費用、二酸化炭素排出量のいずれも半分で済むという試算もある。福井市内の足羽川では、2004、05年度に、
河川環境整備事業の護岸工事で杉材を組み合わせた「木工沈床」を使用するなど、土木工事での利用も進んでいる。
吉田准教授は「水分が多い河床でも木製のくいの健全性は保たれていたし、防腐処理をすればさらに耐久性が高まるだろう。地元の木材を有効に利用することで、輸送にかかるコストやエネルギーを抑えることができ
、需要が増えることで山林の維持にもつながるのでは」と話している。
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