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ID : 4620
公開日 : 2007年 9月 4日
タイトル
町家の魅力、腕で覚える木造建築に感銘・大工修行に飛び込む
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新聞名
日経ネット関西版
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元URL.
http://www.nikkei.co.jp/kansai/women/41973.html
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元urltop:
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写真:
 
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今年は全国各地で観測史上最高気温が出るなど、記録的な猛暑が続いた。涼を取ろうと冷房を強め、体調を崩した人も少なくない。そこで見直されているのが木造の日本家屋だ。とりわけ京都の町家は、酷暑を もたらす気候に対応し、優れた構造を持つ。風通しの良い機能性や伝統建築の持つ趣を残したいと、山脇美保さん(22)は、京都で大工修業に励んでいる。
 「これではまだまだですね」。まだ残暑が厳しい8月の下旬、額に汗をにじませながら、薄く削られた木片を見て山脇さんはつぶやく。現場で使用する前に木材の表面を整えるカンナかけ。時折、眉間(みけん)にしわを 寄せては厳しい表情で手を止め、カンナ台を見つめる。
 「先輩はもっときれいに一つなぎの削り木が出てくるんです。力の入り具合を均一にしないと」と話しながら、道具入れから金づちを取り出し、カンナの刃の出具合を調整していく。
●解体作業で学ぶ  作業する倉庫の四方の壁には、木板や角材がずらりと並ぶ。奥に据えられた作業台に2メートルほどの木材を置いて、中腰の状態のまま行ったり来たりを繰り返していた。
 山脇さんが勤めているのは、木造建築の改修を専門とするアラキ工務店(京都市)。京都御所をはじめ寺社建築や能楽堂の修繕、江戸時代から続く町家の再生案件などを数多く手掛けている。20人ほどいる大工職で女 性は山脇さん1人。業界でもほとんど見かけないという。
 昨年4月にアルバイトとして大工修業を始め、初めは先輩が再生を手掛ける家屋の解体作業に手伝いとして派遣されていた。1年たって正社員採用され、5月には初めて1軒の町家を解体から改修まで担当。2カ月半に わたる工程で、先輩に付いて天井張りの作業も経験した。
 下地となる木組みに合わせ、厚さ12ミリの杉板を張り合わせて、1つの天井に仕上げる。板を固定する留め具は下地に対して50度の角度で打ち付けなければならない。
 少しでも角度がずれると親方から注意の声が飛んでくる。「何で遠くから見てそんなことが」と思いながらも、測ってみると確かに微妙なずれがある。その感覚を自分のものにしようと、見栄えや感触を必死で覚えてい った。
 精度の高さが要求されるのは、町家にとって天井が重要な要素だからだ。商家として発展した町家は、客を迎え入れるため、座敷の空間作りが洗練されている。装飾は最小限に抑え、各面の完成度で見せる。
●祖父の背中追う  実は天井は水平に張るのではなく、中央部が少し上方に湾曲している。わずかだが曲線を描くことで、格子状の障子など直線の多い部屋に柔らかい印象が加わるが「真っすぐな板で、ゆるやかなカーブを描くのが難し い」。
 山脇さんの1日は朝7時前の出社から始まる。20人ほどの大工が集まって段取りを確認。2―3人のチームに分かれて持ち場に向かう。夜は7時前に会社に戻ってくるが、道具の整備が待っている。カンナやノミの刃を先 輩の見よう見まねで研いでいく。すべての作業が終わり、家に帰るのは、夜10時ごろになることもあるという。
 大工を目指したのは中学生の時だった。地元の兵庫県で、大工の棟りょうだった祖父が建てた寺を見て「表情豊かで、まるで生きているような木造建築に衝撃を受けた」。力強いはりが重厚な天井を支え、軒下で平行に 並んだ垂木が繊細に屋根を装飾している。その存在感に圧倒された。高校を卒業するころには両親を説得し、京都の建築専門学校に進学。「図面を読めるようになりたい」と設計を勉強した。
 「設計士になった方がいいのでは」という声もあったが引き下がらず「自分で木造建築を建てたい」と大工を志望し続け、アラキ工務店の門をたたいた。初の女性大工の行く末を心配する声が強かったが、まずは様子を 見ようとアルバイトでの採用を勝ち取る。
 解体作業ばかりの1年間だったが、ただ壊すだけでなく、木板の張り方や接合の仕方などを、内部の様子から学んでいった。「家の構造を分析できることが大工の仕事に役立つ」(山脇さん)というがんばりで「根気の良さ が1番の資質」(村上幸男専務)と認められ、正式採用を勝ち取った。
 1人前の大工と認められるには少なくとも5年の経験が必要といわれている。祖父が建てた寺のように、訪れた人に感銘を与えられる建築が今の夢だ。そのため、当面の目標は和室を手掛ける技術を身につけること。
まだ1つ1つの工程を覚えていくので精いっぱいだが「ぬくもりのある木造家屋の奥深さを学びたい」と夢の実現に意欲を燃やしていた。
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