ID : 4612
公開日 : 2007年 9月 2日
タイトル
ボンズも愛用 富山のバット 材料見抜く「目」熟練の技
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/life/update/0901/TKY200709010243.html
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元urltop:
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写真:
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大リーグの通算本塁打記録を31年ぶりに更新したバリー・ボンズ選手が、今季から日本製バットを使っている。製造元は、富山県南砺市の「太平BAT製作所」だ。社長の本居和義さん(74)は、バット作りひと筋5
4年の職人。プロ野球を支えてきた同社の歴史に、新たな大物の名前が加わった。
バット作りひと筋54年の本居和義さん=富山県南砺市福光で
太平BATの工場は、小さな木造2階建てで、周りに水田が広がる。15人の従業員で、木製バットを年間約5万本生産する。阪神や西武で活躍した田淵幸一選手や、野茂英雄投手が大リーグ日本人初本塁打を放ったバッ
トも作った。現在も巨人・高橋由伸選手や中日・福留孝介選手ら約80人のプロ選手のために年間5000~6000本を作る。
ボンズ選手は昨季まで、カナダ製を使っていた。だが生産がストップしたため、他を探していた。2月のキャンプで日本製バットと出会ったことがきっかけで、同社のバットも併用することに。タイ記録まであと1本の75
4号は同社製だったが、タイ記録と新記録は、元のカナダ製だった。「映像を見てわかった。元々のメーカーに義理立てしたんじゃないかな」と、本居さんらはみている。
本居さんの父親が1951年に創業した。最盛期には木製バットを年間約30万本生産した。70年代になると金属バットの普及に合わせて、その加工も始めた。だが、金属は耐久年数が長いため生産数も伸び悩み、経営
が落ち込んだ。木製に比べて人手もかからないから、従業員に辞めてもらった時期もある。
太平BATを今支えるのは、機械メーカーと協力して開発した専用の加工機だ。コンピューター制御で100分の1ミリの精度で削り、選手の細かな要望に応える。精度は熟練の職人を上回るという。ボンズ選手からはサ
ンプルのバットが1本届き、「これと全く同じものを」という注文だった。 本居さんは「コンピューターは文句も言わずに、決められた時間で要求通りに作る。ありがたいもんだ」と話す。だが、機械に頼るばかりではない。「
大事なのは知識と『目』。良い材料を見抜いて初めて機械に価値が出る」
機械にかける前に素材を選別して粗削りする。そして1カ月ほど乾燥室に入れた後、入念に検査して仕上げるのが太平BATの変わらぬ流儀だ。
本居さんは毎朝、材木を一本ずつ手に取り、質や重さを見定める。加工機でプロ用の製品を仕上げる3代目の和幸さん(49)は「おやじは『材を見る目』が全然違う。追いつこうとしても追いつけん」と話す。
熟練された職人の「目」と100分の1ミリの精度が生み出すバットに、全米最強のスラッガーも手応えを感じたのかもしれない。本居さんはニカッと笑って言った。
「違いがわかる人には、わかるんだな」
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