計画によると、体験施設は葛巻町江刈の第三セクター・葛巻高原食品加工のワイン工場に隣接する町有地に建設。入浴施設は久慈市山形町来内の宿泊施設・センターハウス平庭山荘(市の第三セクター)に隣接す る市有地に整備する。
体験施設は、木造平屋建てで床面積約670平方メートル。県産材を使って建設する。地元の食文化を代表するそばや豆腐作り、つる細工や木工、ブランデーや焼酎造りなどの体験を計画する。まめぶなどの郷土 料理も提供する。
入浴施設は、鉄筋コンクリート平屋建てで床面積約650平方メートル。男女それぞれに浴槽2つとサウナを備え、一度に30人の入浴が可能。環境に配慮し、木片のチップを活用したボイラーで沸かした湯を活用す る。
事業費は全体で約6億円。今月から一部造成が始まり、来月以降工事が本格化する。両施設の運営には指定管理者制度を導入する予定。
久慈市は現在、平庭高原へ県外からの修学旅行生の受け入れを進めている。しかし、センターハウス平庭山荘内の風呂は一度に5人程度しか入れなかった。
同市の下舘満吉・交流促進担当部長は「子どもたちを受け入れる体制が万全になる。観光客の増加にもつなげたい」と期待する。
一方、体験施設が整備される葛巻町の触沢義美総務企画課長も「訪れる人たちに町民が積み上げてきた歴史を感じてもらい、町や県北地域全体に効果を波及する施設にしたい」と語る。
県地域振興支援室の戸舘弘幸・定住交流担当課長は「自然がはぐくんだ平庭高原の魅力を多くの人に堪能してもらい、地域の活性化にもつなげたい」としている。
エコパーク平庭高原 県が96年度に初めて基本構想を策定し、オートキャンプ場やコテージ、入浴施設、体験施設などを29億円で整備する事業。99年度に基本計画をまとめ、事業費39億円で06年度完 成を目指した。しかし、県の深刻な財政難から03年度の行財政構造改革プログラムで事業縮小が決定。その後も宙に浮いた状態が続き、06年1月には事業費6億円と大幅な見直しが迫られた。久慈市と葛巻町の要望 などもあり、07年度体験施設と入浴施設を整備する。