ID : 3793
公開日 : 2007年 5月14日
タイトル
県内初の木質バイオ発電所 温暖化防止のモデルに
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新聞名
東海新報
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元URL.
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws2521
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元urltop:
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写真:
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環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」に指定され、十六年度からさまざまな地球温暖化防止策を展開してきた住田町は、世田米の木工団地内に県内初の木質バイオマス発電所を整備し、十一日に
開所式を行った。指定初年度に設置した木屑焚きボイラーの蒸気を活用して発電し、施設の一部電気をまかなうほか、排熱(温水)を園芸ハウスに供給してイチゴを栽培するなど、産業振興と環境保護の両立を目指す。
開所式には、関係者合わせて約五十人が出席。多田欣一町長は「これからの経済活動には、単に事業を進めるだけでなく環境にも配慮することが求められる。そのためにも、先人が育ててきた森林資源を有効に活用し
ていきたい」とあいさつ。
来賓の高橋克雅振興局長と施設の管理運営主体となる三陸木材高次加工協同組合の佐々木英一理事長が祝辞を述べ、関係団体の代表六人がテープカットして施設の開所を祝った。
鉄骨平屋(約百六十平方メートル)の発電所は、木工団地内から出される木屑を燃やすボイラーから出る蒸気を活用してタービンを回す仕組み。毎時最大三百五十キロワットを発電し、電力は木材加工場で自家消費す
るほか、発電施設の排熱を温水として園芸ハウスへ供給する。工事費は約一億六千七百万円。
同時に整備した園芸ハウスは、軽量鉄骨づくりのビニール張り四連棟(約二千平方メートル)。施設内は常時一八~二〇度前後の室温に保たれるシステム。栽培方式は高設ベンチ方式の有機培地溶液栽培で、工事費は
約四千九百万円。
町内の認定農業者が今年二月にイチゴの四季なり品種「咲(え)み」の苗約一万三千五百株を定植した。ほとんどが契約栽培で、出荷先は東京都内のケーキ会社。一部は町内の産直施設で販売される。
このイチゴは大粒(4L程度)で、適度な酸っぱさに甘みがあるのが特徴。今月下旬から収穫が始まる予定になっており、町では初年度の収穫量を六トン(約一千万円)と見込み、将来的には年間十トン(約一千五百万円
)の収穫と「住田イチゴ」の“復活”を目指す。
「森林・林業日本一の町づくり」に取り組んでいる同町は、環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」の対象地域に選ばれ、十六年度から三カ年にわたり交付金などを受けながら地球温暖化防止策としてのCO2
(二酸化炭素)排出量を削減するための各種事業を展開してきた。
具体的には、木屑焚きボイラーやペレットストーブの導入などを進め、化石燃料の代替エネルギーを普及させながら環境に優しい町づくりを推進し、地域の活性化を図ってきた。
指定初年度に設置した木屑焚きボイラーから排出される蒸気(毎時八トン)はこれまで、半分の四トンを木材加工場の廃材乾燥や施設内暖房に供給。今後は残り四トンを発電施設に活用していく。
多田町長は「現在、木工団地内の三陸木材高次加工協同組合、けせんプレカット事業協同組合、協同組合さんりくランバーの年間電気料が一億二千万円ほどかかっており、今回の発電所を整備したことにより二千万円
ほどの電気料を抑えることができるのではないか」と語っている。
佐々木理事長は「現在、木屑焚きボイラーでは木工団地内から出る木屑を燃やしているが、将来的には民間の製材所などからも木屑を集めて燃料にしていきたい」と話している。
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