ID　：　3598

公開日　：　2007年 4月21日

タイトル

・しっかりと根を張る木の様な人間になれ

新聞名

ライブドア・ニュース

元URL.

http://news.livedoor.com/article/detail/3130026/

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写真:

　

一昨日の事、私情を挟んで大変申し訳無いが、身内というか、血縁関係の者に不幸があった。満93歳で逝去されたのだが、その間の闘病生活は、筆舌には尽くしがたい苦労があった事と思う。
　その方は戦中、旧満州で鉄道関連の職につき、戦後、中学校だったと思うが、校長を歴任した方である。直接的な血縁は薄いのかもしれないが、父方の母、つまり私の祖母と兄弟で、盆暮れ正月には例年の様に顔を合 わせる程、交流は深かった。筆者自身は孫では無いものの、孫の様に可愛がってくれた事を昨日の様に思い出す。
　筆者が生まれた頃に公務員を退職された様なので、退職後の彼しか知らないのだが、農業に従事している彼からは、多くの事を学んだものだ。毎年、筆者の住む地域では、「ポンカン」や「タンカン」などを、鹿児島県 本土や関西、東京に出荷する。その果実を収穫するまでに、草刈、肥料等、様々な苦労を経て、冬から春にかけて果実が実り、収穫する。収穫も一箱約10キロだろうか、キャリと呼んでいるのだが、運搬は年配の方には 大変だろう。
　15年程前だろうか、彼は言った。「毎年毎年、暑い時も寒い時も、雨の日も風の日も、しっかりと根を張る木の様な人間になれ。目立たなくてもいい、立派にならなくてもいい、木は人間と同じだ。目に見える幹や枝葉は、 根がしっかりと根付いていれば、生い茂る。人間も同じで、目に見えない心がしっかりしていれば、優しさ、思いやりを人に与える事が出来る。障害に負ける事無く、前向きに生きろ」と。
　改めて、自然の一部である人間を実感する。私達を木に例えるなら、幹や枝、葉は身体であり、 見えない部分の根は心と同じではないだろうか。幹や枝等の外見で虚勢を張るより、根、つまり「心」が、肝心だと、教えてくれている気がするのだ。大地に深く根付いた木は、風雪に耐え抜く強さを持つ。私達人間も、木 で例える「根」、つまり「心」がそれだけ重要な意味を持ち、「心」を深く根付かせる為の栄養こそ、「教養」であったり「読書」であったり「哲学」であったり、「勉強する事」なのだろうか。
　まだまだ未熟なＰＪではある。しかし、これから誕生する世代に対して恥じぬよう、また諸先輩方に恥じぬよう、徹底的に市民の側に立脚したＰＪとして、研鑽に務めたい。
　もしも願いが叶うなら、もう一度彼に会って、酒を酌み交わしたい。そして、負けそうな時、泣きたい時、辛い時、この筆者自身を、思いきり叱り飛ばしてくれないか。【

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