ID : 3102
公開日 : 2007年 4月27日
タイトル
度肝抜く「でか山」…石川・七尾市
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/jiman/ji_ji_07042601.htm?from=os2
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元urltop:
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写真:
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京都の祇園祭に博多祇園山笠――。日本には、山車や山鉾(やまぼこ)が街を練り歩く祭りが各地にある。5月の連休(3~5日)に能登地方の七尾市で行われる「青柏祭(せいはくさい)」には、日本一大きな山車
が登場すると聞いて足を運んだ。
12メートルの山車 クレーンで組み立て 豪華3台
山車は高さ12メートル、重さは20トンにもなる。名前は「でか山」。JR七尾駅で見つけた祭りのポスターには、「5月の驚景。度肝抜かれぬように」とあった。
でか山は毎年、地元の人たちの手で組み上げられる。駅から10分ほどの駐車場では、ちょうど、「山建(やまだ)て」と呼ばれる組み立て作業中だった。
2台のクレーン車が木材をつり上げている。住宅の建設現場かと見間違いそうな光景だが、直径約2メートルの大車輪が4個あり、確かに山車だと分かった。骨組みに使うケヤキやカシなどの木材は、大小合わせて200
本にもなるといい、クギを1本も使わず、わら縄や藤(ふじ)のツルで縛っていく。
青柏祭は地元の大地主(おおとこぬし)神社の例大祭として行われ、400年以上の歴史があると伝えられる。山車は市内の鍛冶町、府中町、魚町に1台ずつあり、それぞれにしつらえられた舞台には、歌舞伎などの名
場面を再現した人形が飾られる。赤、白、緑と、色とりどりの幕で飾られた山車3台が街に引き出される「曳山(ひきやま)」は、国の重要無形民俗文化財に指定されており、期間中、約11万人の観光客が訪れる一大イベン
トだ。
それにしても、なぜこんなに大きいのか。末広がりの形をした山車は、北前船を模したともいわれ、「鍛冶町でか山」総代の山口明さん(63)は「よくは分かりませんが、北前船で財を成した豪商たちが、力を誇示するた
めに作ったのでしょう」と話してくれた。
故郷を離れた地元の人たちは、盆や正月に帰省しなくても、祭りには帰ってくるといわれている。山口さんも高校卒業後、大阪府内の建設会社に就職したが、この時期になると、寝ていても鉦(かね)や太鼓の音に合わ
せて「エンヤ、エンヤ」の掛け声が聞こえてくる気がして、胸が高鳴ったという。
山建てに携わる若い男性たちは「若衆」と呼ばれ、祭りでは、山車の進む方向を調整する「梃子(てこ)掛け」や、木遣(きや)り歌を披露する「木遣り衆」などを担当する。
祭りの最大の見せ場は、大梃子で山車の方向を変える「辻廻(つじまわ)し」。「府中町でか山」の若衆頭で高校教諭の新保聡さん(43)は「大きな山車を自分の思うままに動かす。それが楽しくて仕方ない」と笑う。
山建てが進む鍛冶町のでか山の前に立つ山口さん(右)と大森さん(4月15日) でか山が通る道を歩いてみた。何かが違うと思ったら、電柱が高いのだ。北陸電力七尾支社によると、通常高さ14メートルほどの電柱を
約16メートルまで上げ、電線も一部、地下化しているという。なるほど、街も“でか山仕様”という訳か。
3月25日の能登半島地震で、市内も大きな被害を受けた。4月中旬に行われた同神社の春祭りでは、みこしこそ出たが、ほかの慶事はすべて取りやめた。
だが、青柏祭は今年も例年通り執り行われる。開催を心配し、問い合わせの電話が市役所などに寄せられているが、同神社宮司の大森重宜さん(46)は「祭りをやってこそ、『七尾は元気だ』と全国の人に知らせることが
できる。祭りで七尾を一つにしたい」と力を込める。
でか山の大きさは、七尾の人たちの祭りにかける思いそのもの。祭りはきっと大いに盛り上がるに違いない。文字通り、小山のような山車を見上げ、そう思った。(
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