丸太材の陸揚げと寸検
水中貯木場より陸揚げ一日分相当量を小分けして、蒸気船で予定している製材所前まで曳航(えいこう)し、一本ずつ必ず元口を前にして肩で担いで陸揚げした。陸揚げ場には事業主より指名された立会人がいて、1本ずつ陸揚げされる丸太材の刻印別に(所有者を表す印)を読み取るとともに、刻印別に、加えて間丸太、丈丸太、2間丸太の材種別にその置場を指示した。
丸太材全部の陸揚げが終わると、関係者による寸検がなされ、到着した全丸太材の石数が確定した。
ちなみに寸研は5分落ちと言われる方法で、5分刻みとなっていて5分の間は数値はすべて切り捨てる。例えば3寸4分は3寸とし、3寸5分はそのまま、3寸9分は3寸5分とするなどであった。したがって寸検担当者は目が慣れているために、測定が早く記帳者は復唱しながらの書き留めに苦労したと言っていた。
▲図④-2 分流への侵入防止柵(セーローと呼んでいた)