すべての作業に威力を発揮した小型集材機であったが、構造的には少し難点があった。
キャレージである。
付知営林署と同型の箱形キャレージを使っていたが、つり上げる 間隔が長い場合にオカメ(荷物を引っかける滑車をこう呼ぶ)とキャレージの間に縒りがかかることがある。
また丘や尾板に荷物がかかるとつかえて通らないため二段集材にすることがおうおうにしてあった。
そこで私は、架線や矢遠の矢形が釣鐶(つりかん)を越えているように、キャレージを越えさせれば二段集材にする必要がなくなる、と考えた。
それには架け替え、矢形式キャレージをつくればよいと思い、図のように矢形と矢形の間隔を広げた。
こうすればオカメとキャレージの間に経りがかかることもなく、二段集材にする必要もない。