山内の伐木を幹線に集める方法の一つに幹線の惰力を利用することがある。
掛け回し式とクラッチ式がその代表である。
図のように勾配のない場合、幹線の台車にテールをかけ回し、架線と同じ巧斜をして幹線の惰力を利用する掛け回し式を用いる。
回転率が本線と同じであり、本線と同等の効果が得られる。
この手法は掛け替え方式(縛り替え)と同じで、盤台に集積する必要はなく、つぎつぎと土場に向かって運材できる。
クラッチ式では回転率が本線の三分の一程度におちるため、馬力が強力であり、急傾斜の 上りにかぎり使用し、勾配のないところでは、掛け回し式と同様、幹線の惰力を利用した。
掛け回し式、クラッチ式いずれも方向や場所は一定しないので、その都度、小さな滑車を 使って向き、場所を変える。