連結式架線が発明されたのは昭和12、3年ごろで涙ぐましい誕生秘話が隠されている。
それは後述するとして、ここでは連結式架線の架設法を中心にみていこう。
空中に張り上げたワイヤーロープの主線に荷物を数個つり上げて運搬する仕組みで、一見、索道と似でいる。
だが、連結式架線は惰力による、索道は電力による本線が搬横をつけた まま回りテールがないという大きなちがいがある。
また釣瓶式架線が二本の本線からなっているのに対し、連結式架線は、一本の本線と一本の副線からなる。
矢形をテールにとめるのはクリップ(ヮイヤーロ-プを挟みつけてとめる部品)で、とまった矢形に材木を積んで空の矢形を引きあげながら運んでいく。
運搬速度の調節は釣瓶式架線と同様 ハンドブレーキで操作する。
連結式架線は高いところでも多少であれば越すことができる特長がある。
また矢遠など では見通しがきかなければ都合の悪いことがあるが、この場合、見通しがきかなくても距離が長くても運材することができる。
ただ、横曲がり部分では連結できないため、ここにかぎっては積み替え方式をとらざるえない。
架線の普及と並行してトラックが普及し、それに伴う道路事情の改善で、古くからの牛木馬や牛車、馬車は徐々に姿を消していった。