釣瓶式架線では本線を二本はり渡し荷物を交互に運ぶが、まず本線を締めて張り上げ なければならない。
滑車をダブルに使い、重くなると予備滑車を用いる。
詳しくは矢遠の項を参照するとよい。
一本の本線を締め上げると、こんどはそれに矢形をかけ荷物に縛り、細いワイヤーロープの端を長くたらしておき、取り木に荷物から細いワイヤー ロープをひき、巻きつけて荷物を下ろすのである。
つまり、荷物がもう一本の本線を ひいていくのである。
取り木に巻きつけた細いワイヤーロ-プで速度を加減しながら終点近くまでいく。
すると惰力では引かなくなるので、こんどは垂らしてあるワイヤーロ-プの端をカグラサンに巻きつけて引っ張る。
荷物が終点に届くと二本目の本線を締め上げる。
こうして二本の本線を張りわたすと、つぎに鳥居に据えつけてある台車(制動機)と終点 の受け車にテールをかけ回して矢形に取りつける。
また台車のテールの当たる部分に堅い木切れを打ち込んでテールがスリップしないようにする。
この木切れを「歯」と呼ぶ。
台車のブレーキ.ハンドには木を切ってかみ合わせ、ハンドル操作ができるようにする。