矢遠には制動ブレーキと挺子(てこ)ブレーキがある。
ほかにテールの行き戻りに棒を差
しこみねじってテールの摩擦でブレーキをかける手法もあるが、この方法はテールの傷み
が激しいためめったに用いることがない。
図は挺子ブレーキで、木製の挺子で木と木の間にテールを押さえ込んでいる。
一見、摩擦
に似ているが、この場合はテールと木の摩擦なのでテールに対する抵抗が少なく、しば
しば用いた。
図のように、テールを被ったときの取り除き方法としては予備の矢形に乗り、荷物に移つて
とるよりほかにない。
そのさい、図イのような仮・ブレーキをつくり、与備矢形に図ロの
支度をして、矢形の前に本線を挟んでブレーキを握る。
そして荷物まで飛ばして荷物に移り、
テールの被ったものをとるのである。
作業が終わるとふたたび予備矢形とブレーキに身を移して土場まで飛ばす。
この作業はだれ
にでもできる作業ではない。
数首メートルの高所で作業する場合もあり、ひとつ間違えば
まさに命とりになる。