筏の組み方はこの後に詳述するとし、ここでは組む前の段取りについてふれる。
材木の太さ、長さ、曲がりなどによって区分したうえで筏を組むわけだが、 あらかじめその日を決めて一斉に組む。
その日まで材木は水際に積み上げておき、当日に放り込むのが理想であるが、その間には雨天もあり大水も当然、予想しておかなければならない。
そこで大水に備えて川岸の高いところに盤台をつくり、そこに材木を積み上げる。
盤台からは仮修羅、この場合、簡単な置き加定羅を数枚かける。
大水で流され
ることを想定し、独立式の修羅を3、4枚つくっておく。
この修羅の一本、一本 には筏を組むときの鐶を打ち込みヮイヤーロ-プでつなぎ、大水のときにはその部分だけが流れても数珠つなぎで岸に打ち上げられるようにしておく。
冬季はそれほどの大水は出ないが、流域の大きな川は、夏中に多いときで5、6回も修羅が流されることがある。
いったん流されると水の引くまでに4、5日、それを待って改めて修羅を掛け替える。