修羅は大きく5種に分けられる。
撰(えら)み修羅、打ち付け修羅、この二つが代表的であり、ほかに奈留修羅、算盤修羅、置き加定(がて)修羅がある。
ここでは置き加定修羅をとりあげる。
図が置き加定修羅で、撰み修羅に比べ巧斜が簡単なのが特徴である。
簡単なぶんだけ設置にきびしい条件がつく。
あまり曲がりがないこと、急傾斜 でないこと、長距離でないこと。
以上の三点が条件になる。
曲がりがあれば運材が暴れて飛び出すし、傾斜が急だと運材に勢いがつき、これまた暴れてしまう。
長距離になると、おのずと急傾斜、曲がりの個所が生じ、いずれも運材が暴れるのである。
もっとも適した勾配は10~15度で、水を打って修羅取りするくらいが調子がよい。
そうすれば少々の曲がりがあっても差し支えない。
置き加定 修羅の場合、鼻(先端のこと)を山に向け、滑ってきた材木が山に当たりさらに土の上を滑りながら落ち、つぎの工程に移る。
この手法を放り込みという。
広い範囲に渡って材木が散乱するため、積み込む土場などには不向 きであり、中継地などに適している。