軌(闊葉樹用)
継続的な事業所では軌(トロッコ)をよく利用した。
闊葉樹の軌を例にあげでみょう。
修羅、木馬、迫り出しなどの手法で集められた材木を製材工場に運ぶとしよう。
まず製材工場までの軌道を設置する。
軌道横には図 のように二重盤台をつくる。
一段日の高さは軌と同じに、二段目は二尺(60センチ)ほど高くする軌の荷頼みの ときに掛け棒の勾配を少しでもなくするためである (木馬の場合もこれに準じる)。
軌は遺距離によく用いる。
木馬とちがって能率がよく、安全性が高いからである。
しかし軌道設置には困難が伴った。
他の手法では多少 の坂や肋(ろく 平坦地)があってもよいが、軌は同じ勾配 でなければならない。
谷や崖を大回りするとも勾配の変更はできない。
もうひとつ、軌の最大の欠点は事業が終わったあと のレールの処分である。
だから軌は継続的な事業所にかぎられた。