杉材の運び出しには臼や蓑(みの)を設けたが、樫(かし)など 闊葉樹ではつくらない。
杉材はだいたい溝途に沿って滑っていくが、闊業樹は飛びはねるように滑る。
溝途を飛びだし山に当たり表返しを打って再び溝途に入り、また飛び出すといった繰り返しである。
作業者間では「修羅を飛ばす」という。
だから闊葉樹の修羅掛けは加定や迫りを谷いっばいに広げて材木 が飛び出してもいいようにする。
また広い場所を選んで放り込みを 作り、中継所にする。
こうしておいても、なかにはもんどりうって中継所を飛び越え、次の修羅に移る材木もある。