修羅に材木を引き込むことを入れ込みというが、この作業にあたるのはふつう2、3人。
中継所や土場で滑ってくる材木を落とす役を馬子(まご)、さらに馬子が落とした材木を整理し積み上げる役を木直(きなお)しという。
連係よく流れる作業風景を繰り広げる彼らの間には独特の合言葉がある。
材木を滑らすとき「ホーホウ」。
支障のないときは「ホーホウ」の返事、待ての場合は「オーイ」。
これを承知すれば「オーイ」と答える。
急勾配では材木の勢いが強く暴れることがある。
これを防ぐため、急勾配のところに 蓑(みの)という障害物をつくり修羅に釣り上げる。
細い材木は蓑の下をくぐり抜けるが太いのはこれに当たり勢いが弱まる。
また 修羅のすきまに杉葉を差し込んで勢いを緩める手法もある。
がこの手法では細材も とまってしまうため、薫のほうがより適している。
さまざまな工夫を凝らしより安全、より確実ぜめざす先人たちの知恵を、修羅出しにみることができる。
修羅出し 終わり