昭和30年ごろまでは、材木の担ぎ出し専門の職人がいた。
戦前はもっと多く て、といっても力の強い者でなければ務まらないので限られるが、かなりいた。
図のように担ぎ職人の用いる杖(つえ)は握る ところから下方にかけて太くなっている。
長さは職人の扁の高さくらいと決ま っていた。
休むときは、立ち木でも石垣でもよい が、担いでいる材木の先を図のように当 てて、扁から抜いた杖を突っかい捧にする。
こうすれば杖を軽くつかむだけで楽 に休むことができる。
杖が土にめり込まないように杖の先を太くするのである。