太い立ち木を切るとき、まず根元の張った部分を大斧(おの)で荒削りをし、削り刃で仕上げる。
次いで倒す方向に受けを切る。
受けの切り方によって倒れる場所が決まる。
その後、受けの反対側から大鋸で引き込む。
鋸の背が見えなくなるころを目安に、矢を何枚も打
ち込む。
これを欠を〆(しめ)るという。
さらに鋸を引き込み、同時に矢を少しずつ掛け欠で打ち込む。
太い老木などほ矢を十数枚も打ち込
むことがある。
傾いた木を切るとき、傾きの方向に倒すのは難しくないが、場所によっては反対側に倒す場合が ある。
このときは二人がかりで作業する。
一人が
徐々に矢を〆ながら、反対で鋸を引き込む。
神社や寺院の老木を切る際、現在もこの手法を用いる。