杉皮はぎ
昔、杉皮は貴重品であった。
立ち木のまま大鉈(なた) で三尺(90センチ)ごとに切り目をつけながら枝のあるところまで軽子(かるこ)で登る。
上部からはぎとり破れないよう放り投げながら順次、下に降りてくる。
この作業ほ大変に危険でむずかしい。
はいだ跡がずるずると滑るため、 ひざで重心をとりながら作業を進める。
だれが考えたか知らないが、昭和初期ごろから図の ような引き廻り鎌ができ、立ち木を倒してからこれで切り目を付けてはぐようになった。
しかし、立ち木のままではいだ皮よりは、傷みが多く質がおちる。