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櫃を買いて珠を還す
ひつを かいて たまを かえす
本当の値打ちがわからず、外面の飾り、うわべの美しさにのみ心を引かれること。ほんとうに尊いものの値打ちがわからない。方法を誤って目的を失うこと、間違った方法で目的を見失うこと
ひつは櫃のこと。
昔、楚の人が木蘭(もくらに=モクレンのこと)で箱を作り、これを美しい珠玉で飾ったが、鄭の人が、その箱の美しさに眼がくらんで、中の珠の値打がわからず、箱だけ買って珠を返したという「韓非子」の故事による。
例えば、「彼は、櫃を買いて珠を還すような行動をとってしまい、大事なものを見失ってしまった」というように、本当に価値のあるものを見失ってしまうことを表現する際に使われることがあります。