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牛山の木かつて美なり
ぎゅうざんの き かつて びなり
牛山の木は、昔はうっそうとしていたが、大国の領土となって木は伐られ、若芽は牛に食われて、はげ山になっている。
人はそれを見て昔から木が無かったと思ってしまっている。
同じように、人間の性質が現在悪くなっているのも本来のものではなく人の性はもともと善であり、悪くなったのは、政治や教育が悪いから悪くなったのだ、という意。牛山は、斉の臨?(りんし)の近くの山のことで、昔は美しい山であった。しかし、都の近くにあったため、木々を伐採し、はげ山にしたのは開拓者である。それと同じで、人も生活の中で良い心を失ってしまうのだ。