パンノキ 学名: Artocarpus altilis 英名: Breadfruit treeは、クワ科パンノキ属に属する熱帯常緑高木であり、南アジアから東南アジア、大洋州、カリブ海から中央アメリカ、アフリカに広く分布しています。
樹高は15mほどから30mに達する高木で、分厚い葉は互生し、羽状に深く裂けており、表面は濃い緑色。葉が大きくよく茂るため、熱帯地方では日陰樹として公園や庭園、街路樹として広く植えられます。
実は「パンの実」とも呼ばれ、直径10-30cm、枝先に2-3個ずつ着生し、成木からは年間50-200個の実が得られます。パンノキの実は甘みの少ないサツマイモのような味わいで、未熟な実は調理して食べることができ、火を通すとホクホクのジャガイモのようになると言われています。興味深いことに、パンノキはほとんどの品種が年間を通じて果実を付けるため、熟した実と未熟な実の両方が料理に利用されます。マレー半島やインドネシアでは未熟果を野菜として利用したり、熟果の種子(Breadnut)を煮たり炒ったりして食用にします。
パンノキは食用だけでなく、木材としても重要な利用価値があります。軽くても堅牢な性質を持つため、住宅の部材、船の部材、楽器、合板、彫刻などに幅広く利用されています。
ココヤシはヤシ科ココヤシ属の常緑高木で、学名はCocos nucifera 英名はCoconut palmです。成長が早く、樹高30mにも達する大型のヤシです。原産地はポリネシアから熱帯アジアとする意見が多いです。現在では世界の熱帯地域で広く栽培され、生活に欠かせない有用植物となっています。おそらく、ヤシ科植物の中で最も有名で利用価値が高いです。幹はまっすぐには直立せず、やや斜めに伸び、途中で曲がります。葉の長さは5メートルにもなる羽状複葉で、基部から先端まで細長い小葉を両側に付けます。
果実はココナッツ(coconut)として有名で、利用価値が高く、世界中の熱帯地域で栽培されています。サイパン植物園では、園長自らココナッツの胚乳(白い固形の果肉)を取り出し、キッコーマンの醤油をつけて食べさせてくれました。まさにココナッツの刺身で、予想とは異なり美味しかったです。採れる量は木の状態や地域によって異なりますが、一年間で数十から数百個です。中には液状胚乳(ジュース)が入っていますそのまま飲むことができます。私はこれまで何度も飲んできましたが、時には生臭さを感じたこともありますが、美味しいと感じたこともあります。かつて開発途上国が多かった東南アジアでは、生水が衛生的でなかったため、液状胚乳は飲み物として重要視されていました。