だんじりコマ材料植樹
・朝日新聞 2008/12/4
大阪府岸和田市では、将来のだんじりのために、材料となるアカマツやケヤキの植樹を始める。300年以上の歴史を誇る「岸和田だんじり祭」だが、年々、国産材の入手が難しくなっている。「祭りを次世代に残したい」という強い思いから、泉州地域で情報誌を発行する「泉の和プロジェクト」の萬屋誠司さんや、今年の祭運営を担った年番町らでつくる「泉州だんじりの森プロジェクト準備委員会」が植樹の企画をした。だんじりの構造は、本体はケヤキ、四つのコマ(車輪)にはアカマツ、前輪と地面の間に差し込んで回転させるのに使う前梃子にはヒノキを使っている。特に重さ4トンを支えるコマは消耗が激しく、泉州にある270台のだんじりで、年間約1600個のコマが消費されているという。生育するのに100年はかかるとされている国産アカマツは、マツクイムシの被害で急減しているため、このままでは将来コマが不足するのは避けられないため、社団法人「国土緑化推進機構」が進める緑の募金事業を活用し、4日にまず祭り発祥の地、岸和田城近くにアカマツを植え、13日には近隣の泉佐野市が所有する山に、同市の公園緑化協会とともに、ケヤキ、アカマツ、ヒノキ合計1300本植える。萬屋さんは「だんじりの良さは組織力の強さ。泉州全体に植林の輪を広げたい」と話す。