林業の担い手はNPOで
・日本経済新聞 2008/11/17
2008年版の森林・林業白書によれば、1965年に25万人を超えた林業従事者は、2005年には約5万人となった。しかしその一方では、出身地とは別の地方に移住したIターンの人が新たに林業に従事するケースが増加している。岐阜県郡上市の水野氏は2001年にNPO法人「ウッズマン・ワークショップ」を立ち上げ、林業の担い手の育成を始めた。この背景には、森林組合など林業現場の指導が相変わらずの『見て覚えろ』式で人が育たないということがある。内容は、岐阜県内のレクリエーション施設周辺の森林整備を請け負ってNPOを維持する収入を確保しながら、技術向上などを目的とした研修会や、週末に幅広い希望者を対象として「林業・寺子屋プロジェクト」という講座を主催する。目標は、林業を志す人に学んでもらう学校の開設である。「どんな世界か知らずに入り、すぐやめてしまう人も少なくない。学校や会社に通いながら林業の実情を学ぶことができれば定着する人も増える。どんなニーズがあるかなど、林業・寺子屋プロジェクトを続ける中で探っている」と水野氏は話す。