ムニンノボタン
・日本経済新聞 2008/11/9
1980年代初めに小笠原諸島の父島で固有種であるムニンノボタンが野生種で1株確認され、皆が存続を危ぶむ状況であった。このボタンは、高さ1メートルほどの常緑低木、ボタン科に属している。名前の由来とし、小笠原諸島は誕生以来、どの大陸とも地続きになったことがなく、1830年まで定住者がないということから、「無人」→「ムニン」となったという。人の手が加わり、道路開発、ヤギなどの外来種の侵入から貴重な自然環境が失い始めた。また、ムニンノボタンは1980年半ば以降、再生に取り組み東京大学・小石川植物園が増殖に成功、父島への植戻しも実施したが、楽観できない状況である。環境省は10月からムニンノボタンなどの種子の冷凍保存に乗り出した。小笠原は世界遺産に推薦される予定であり、生息数の回復などで登録につなげたい考えである。