森の力を土に
・日本経済新聞 2008/11/6
アマゾンの森林破壊の一因である焼畑である。ブラジル農牧研究公社では、この焼畑の後のやせた土地、いわゆる農牧放棄地で「カポエイラ」という再生林を育て、その場所を再び農畜産業に使う方法を研究している。現在イガラペアスーの小規模農家と協力をして「アグロフォレストリー(森林農家)」を実験中である。雑木林のような畑であるここでは、果樹や木材となる樹木、穀物などを混合栽培している。アマゾンの土地は多くが砂地であり、樹木がなくなると栄養分が補給されず、すぐに荒廃するが、樹木を一緒に育てることによって、土地に栄養が残り、作物の成長は上々であり、害虫抑制効果もあるという。同研究所では、1980年代からドイツ政府と協力をしている。カポエイラが早く育てば、切り開かれる森林の面積も減少する。今後も続いて、土地に窒素を戻す働きがあるマメ科の中でも、どの種類が最適かといった実験がされる。また、アグロフォレストリー(森林農家)の普及には作物の買い手の確保など課題も多くある。