林業再生の成功例
・日本経済新聞 2008/11/6
京都府中部の南丹市にある日吉町森林組合では日吉では提案型集約化施業を軸に積極的な間伐に取り組んでいる。管内森林面積が約10700ヘクタール。うち、人工林が約4300ヘクタールとなる。従業員数は24人と平均的な組合である。しかし、日吉では提案型集約化施業を軸に積極的な間伐に取り組んでおり、日吉方式の間伐作業を学ぼうと全国の森林組合などからの研修や視察が絶えない。昨年度の育成研修を終えた組合から約40人が、今年の10月7日より施業プラン(山林の間伐の見積書)を作成する「ステップアップ研修」も開かれた。日吉森林組合への間伐への取り組みは、日吉ダム建設関連の公共工事が無くなった事をきっかけである。「すべて手探りでやってきた。働く意欲のわく組織づくりを続けてきたから軌道に乗れば次々と改善が生まれた」と理事兼参事の湯浅さんは振り返る。地域の森林が荒れていることが気になり、呼びかけるも当初は反応は鈍かった。その為、森林の状態を写真で撮影し施業プラン(見積書)を提示する提案型施業を進めると、「みんな山の荒れた状況を知らなかった。プランを見せるとほとんどが契約してくれた」また、大勢の小規模所有者に施業を提案し一括して施業を代行する集約化も徐々に進めた。機械も少しずつ増えてゆき、2002年には間伐材を搬出して売却する現在のやり方を実行。搬出することで売上を所有者にもどせるようになり、さらには搬出の為の作業道路整備も進んだ。今では人工林の4割で作業道を建設。10年以内には完了するという。日吉のやり方を理解し、それぞれの地域でアレンジしてもらいたい。そうすれば間伐が進み林業も再生すると湯浅さんは語る。