ビルの木の外壁
・読売新聞 2008/9/24
不動産への投資環境の急速な悪化や昨年改正された、建築基準法により、国内の建築界は、深刻な閉塞状態である。その一方で、海外での日本人建築家の活躍が話題を呼んでいる。活躍の中心となっているのは、建築とアートが接近した作品である。世界中で開催される現代美術の国際イベントでも、日本人の建築家が積極的に関わるようになった。国内でも、近年、実際のオフィスビルで先鋭的な表現に挑む例も登場してきており、名古屋市の丸美産業本社社屋は、ガラスの壁面の下に、木材の構成を大胆に表現した。京都・四条木製ビルは木の外壁をそのまま露出させており、この作品は、建築不況がさらに深刻であるといわれる京都市の新景観政策を逆手にとり、新たなオフィスビルの質感に挑もうとしている