木簡解釈の重要性
・読売新聞 2008/9/19
1961年、奈良市平城宮跡で多数出土し、知られるようになった木簡。近年では、解読が飛躍的に進歩し、遺跡の性格が特定出来るようになり、古代史研究にとっては、貴重な「生の史料」として重視されている。木簡の解読が進んだのは、研究者の解読能力の向上はもちろんだが、大きな理由は、70年代には全国で5万点だった木簡が今では35万点に達し、比較資料となる文字が豊富になった。赤外線テレビカメラの性能・画質の向上。そして保存科学の発達により、黒ずんだ木片が白い木肌を取り戻し、墨書の文字が読みやすくなったからである。