森を守る「利害の壁」
・読売新聞 2008/9/11
ガーナでの森林局やNGOの住民との緑を守る仕組みについて、これまで、紹介してきたが、利害の壁もある。カクム国立公園の隣にある、アフィアソ村を訪れる前記者達に、カクム国立公園の事務所長は、「2年前に、地元と便益を共有する政策ができた。」と胸を張っていたが、訪れた後は、「利害関係者が多く、配分調整に手間取っている」と話した。村民は、「村で生活の糧をとることが出来たのに、国立公園になって禁止させた。」との声もある。先月、開催された、アクラ会議では、「REDD(途上国における森林減少に由来する排出の削減)」のための国際的な仕組みをめぐり議論が行われたが、具体的な仕組みや議論には至らなかった。また、「森林減少を抑える方法でなく、保全で得られるお金のことばかり注目が集まっている」といった仕組み作りへの疑念も噴きだした。森林を減らさないためには、金も知恵も必要だが、基本は住民の生計向上である。