1300年吉野桜立ち枯れ危機
・読売新聞 2008/9/3
1300年来の貴重な歴史的風景で今や大パノラマで知られる、奈良県・吉野山のヤマザクラの群落の一部が樹勢の衰えなどが原因で危機に陥っている。危機を感じた住民は保護活動に乗り出した。吉野山は世界遺産「紀伊山地の霊場と参拝道」の一角にあたり、約50ヘクタールにわたり、約3万本のヤマザクラが群生している。病気はここ数年、衰退したサクラに感染すると言われているナラタケ類の発生が顕著になってきており、若木の感染も目立ってきた。今まで住民でつくる「吉野山保勝会」などが行って来た養生や手入れで危機をしのいで来た対症療法では追いつかなくなったという。同会は、今春に京都大大学院森本教授らに調査要望し「吉野サクラ調査チーム」が結成された。調査チームは、樹液の流れ・土の分量などの調査を行った。森本教授は、雨の降り方が以前と異なる可能性や管理する人手不足が樹勢に影響した可能性もあるとみており、「どんな環境の変化があったのか、枯れた木の根本原因は何かを突き止め、有効な対策を講じたい。」としている。また、今年10月25日には地元の吉野町や保勝会などがつくる「さくらAID実行委員会」が主催する「さくらAIDチャリティーコンサート」が現地で開催され、「吉野のさくらを守って。と」広く呼びかけるという。