樹木葬
・産経新聞 2008/6/22
少子化、核家族化などの影響から日本人の昔ながらの考え方に変化が現れている。先祖代々の墓(墓石)を受け継ぐのではなく、墓石の代わりに樹木を植える「樹木葬」が人気を呼んでいる。樹木葬には様々なタイプがある。1本のシンボルツリーを植え、その下を区画にわけて、1区画に1人を埋葬する「都市型樹木葬」。半径1メートルほどの敷地を購入して、遺骨を埋葬してから植樹する「里山型樹木葬」。イギリスでは里山に散骨する「散骨葬」航空機事故などで遺体が散乱した場合にもこの方法が用いられる。 日本の樹木葬は岩手県一関市に平成
11年に専用の里山墓地が国内初とされ、千葉県いすみ市、山口県萩市、神奈川県伊勢原市、東京都大島町、鳥取県大山町にも存在する。そして4月1日、神戸市北区で関西では初となる樹木葬の専門区画の提供が始まった。30センチ司法の1区画が1利用となり、価格は30万円。2平方メートルの共同区画に納骨する9万円の永代供養もある。神戸市の通常の墓石の霊園では月に5~10件ほどの契約だが、樹木葬専門区画では340区画のうち、2ヶ月ですでに66件が売れている。メモリアート大野屋 神戸支店では、独身高齢者や後継者のいない家をターゲットとし、永代供養の方式として提案。しかし、同社のアンケートでは跡継ぎのある夫婦でも隣り合った区画を購入するケースがあった。また、若い世代では、宗教色のないことに魅力を感じる人もいるという。家系や宗教にとらわれることなく、自分らしさを求める人が増えていることの表れではないだろうか。