原生林を侵す 異変
・毎日新聞 2005/2/23
少なくとも「芦生の森」は80年間はほぼ原生的な森であった。しかし、この数年で激変しつつある。芦生の森は京都府美山町にあり、1921年から京都大学が約4200ヘクタールの研究林を置いている。ミズナラなどの冷温帯の樹木とコナラなどの暖温帯の樹木が混じる森である。しかし、近年は山が変わりつつある。97年ごろから、本来は暖かい地域に生息するはずの昆虫が見つかりだした。さらに、甲虫が生息することにより、甲虫を媒介とする病原菌によりミズナラが枯死する例が相次いでいる。さらに、秋になっても落葉が遅れ、暖冬で水混じりの半分溶けた雪降り、葉と雪の重みに耐え切れず、幹が裂ける大木まで
ある。「温暖化は自然はどこまで変えてしまうのか」と北山自然と文化を守る会の幹事・主原氏の危機感は強い。