森林消え共生崩れる
・日本経済新聞 2008/4/20
違法伐採・パーム等の農園開発で、インドネシアスマトラ島の熱帯雨林が消失。人と野生生物の「共生」のバランスが崩れ、野生のスマトラジウが住民を襲う被害が絶えない。スマトラゾウは、絶滅のおそれがあるゾウで、性格はおとなしく、体長は5m以上、オスの体重は4~5tある。しかし、度重なる違法伐採やバイオ燃料の原料であるパーム農園の開発により住処を失い、山を下り畑や住民を襲うようになったという。また、ゾウだけでなく、住宅建材の乱伐が目立つ、北部アチェ州では、野生トラが人を襲ったケースもある。スマトラ島はもともと、2700万ヘクタールの熱帯雨林が存在したが、ここ5年で約130万ヘクタールの森林が消失した。06年の温室効果ガス排出量も二酸化炭素換算で30億を越え、世界3位。野生生物だけでなく、今後人間への影響も懸念される。ゾウは、「材木運びなどを手伝うよきパートナー」今一度。人と野生生物との「共生」のあり方をスマトラ島の住民をはじめ、パーム油などを輸入している先進国で見直してほしい。