世界の深刻な森林破壊
・産経新聞 2008/4/13
国連食料農業機関(FAO)によると、世界の森林面積は毎年、日本の国土の約5分の1にあたる730万haずつ減少している。原因は、商業伐採や焼畑、家畜の飼料になる大豆、バイオ燃料になるアブラヤシ、サトウキビ畑などの農地への転用などの森林破壊で、今や森林破壊によるCO2の排出量は、世界の温室効果ガス排出量の2割に達するともされている。国では、インドネシアの森林減少が目立ち、多くの原生林、生物が減少しているという。こうした、森林減少に関し林野庁の佐藤調査官は「農地開発は発展途上国が貧困から脱しようとした結果で、一概に悪いとは言えない。大事なのは森林を守ることで住民が収入を得られるような仕組みを作ることだ。」と指摘する。また、森林破壊に歯止めをかけるべく、先進国、民間の企業では、資金を活用し、森林減少に貢献した国に何らかの経済的利益を与えようという取り組みが成されている。日本での森林減少に対する取り組みとしては、違法伐採に関し、政府が購入する木製品は合法性を証明する森林認証マークを定め、購入するよう06年に法律で定められたり、木材量に輸送距離を掛け木材利用が環境に与える影響を比較しようという「ウッドマイル」などの取り組みが成されており、今後も注目したいところである。