文化財の年代特定を年輪で
・読売新聞 2008/3/30
年輪年代測定法とは、まず木材の暦年標準パターンを作成することから始まり、樹木の伐採年を測定する方法である。この方法は気象条件によって年輪の幅が1年ごとにことなることを利用したものである。現在、杉は紀元前912年、檜は紀元前1313年まで測定できる。この測定方法のパイオニアである奈良文化財研究所の光谷氏が定年退任することとなった。光谷氏は約30年にわたって木材1万点を測定した結果、考古学、古代史の定説を次々に覆してきたのである。今後は年輪に秘められている古代の気温、降水量、気象の変化、火山噴火などのデーターを取り出し、地球規模の環境研究へテーマを広げる予定である。